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In recent times, local cultures and attractions have been rediscovered and appreciated anew. Shizuoka, rich in cultural assets like food and art, holds unique potential.
"22MAGAZINE," named after Shizuoka's prefectural number, aims to curate and highlight lesser-known spots and people, naturally uncovering the region's latent potential. The team's local presence ensures high sensitivity and meticulous communication.

Now is the time for a "global media" rooted in the "local."

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REPORT

24PILLARS × KIKI NATURAL ICECREAM × お好み焼き みかみ

24PILLARS × KIKI NATURAL ICECREAM × お好み焼き みかみ popup

[24PILLARS]がセレクトしたナチュラルワインと、[青果ミコト屋]が手がけるクラフトアイスクリームブランドの「KIKI NATURAL ICECREAM」。[cosa]フードホールにオープンする新店舗[2PILLARS]の二枚看板として提供が始まるこれらのプロダクトは、丁寧な生産プロセスや作り手のストーリーにフォーカスする点で共通の理念を持つ。そこで[2PILLARS]オープンに先駆けてポップアップが開催された。コラボするのは、浅間通り商店街沿いに佇む[お好み焼き みかみ](以下、[みかみ])。甘みと旨みのバランスが取れた特製ソースが自慢のお好み焼きをはじめ、オリジナリティの高い味を楽しめる人気店だ。この「お好み焼き×ナチュラルワイン×クラフトアイスクリーム」という3種のコラボは、思い思いの組み合わせ(もちろんいずれか1つだけでも)を楽しめるという意味で幅広い層にフィットすることが期待された。結果はいかに。

24PILLARS × KIKI NATURAL ICECREAM × お好み焼き みかみ popup

オープン前。[みかみ]の暖簾をくぐると、調理中の店主、田向 義和さんがお出迎え。お店の奥へと進むと10畳ほどの空間が広がり、その中央に巨大なミラーボールが鎮座!名古屋市は金山[24PILLARS]からはるばる運ばれてきた球体の移動式バーカウンターだ。

直径2mはあるだろうか。明らかに[みかみ]の入り口や通路は通れないサイズなので不思議に思って聞いてみると「実は全部一つひとつのパーツに分解できるんです。今朝も、バラしたパーツを中に運んでからこの形に組み立てたんです」とのこと。しかもビスやステープルは一切使われておらず、全て組み木スタイルというから驚き。木工場を母体とする[24PILLARS]ならではの技だ。野外フェスでDJブースとしても活用される球体バーカンは、訪れた人を驚かせた。さらに並んでいるナチュラルワインの種類もかなり膨大と見える。「きちんと数えてないですが、100種類近くは持ってきました!」と話す[24PILLARS]スタッフ陣。

24PILLARS × KIKI NATURAL ICECREAM × お好み焼き みかみ popup

KIKI NATURAL ICECREAMブースもミラーボールの隣にて、スタンバイ完了。全国の農家のもとを回って野菜をセレクトするミコト屋の鈴木 鉄平さん。規格外の野菜、果物や、蒸留酒を作る工程で発生したガラを用いるなど、「ロス削減」への強い想いが根底にありながらも、「うんちくを語りたいわけじゃなく、あくまでカジュアルに伝えたいんだよね」とブースもポップで楽しげな世界観に。

イベントスタート直後。おでん屋さん、焼肉屋さん、ラーメン屋さんといった近隣の飲食店の方が駆けつけてくださった。2020年1月にオープンした[みかみ]だが、いかに地域に根付いているかが伝わる。「うち、オープンしてすぐコロナに突入したんですが、その時も周りの飲食の皆さんが助けてくれてね」と田向さん。テキパキ焼き進めながらも、常連さんに「あれ、今日休み?」「奥、面白いことになってるから見てってよ」と声をかける。そんな屈託のない会話にもほっこり。

早速、編集部もお好み焼きをいただくことに。ちょうどこの日にデザインが一新されたパッケージは、イラストレーターとしても活躍するパートナーの萌さんによるもの(ちなみにお店のチラシや店内のポップ類も萌さんが手がけられている)。

たっぷりの鰹節の下からふっくら分厚めの生地が顔を出す。角には和がらしが添えられ、さらに「テーブルに置いてる山椒もバサバサかけてみて!」という勧めに従ってバサバサ。新鮮な組み合わせだが、一口食べてその相乗効果に驚いた!コクのあるソースに、和からしと山椒がキレをプラスしていて、最後まで食べ飽きない。「静岡といえば、おでんと鰻。それらについてくるからしと山椒を取り入れたんです。」という解説で、 “静岡人の口に合う”というHP記載の宣伝文句も腑に落ちた。初めて食べた方も「出汁の旨みと、甘みのあるソースが優しい味です。割とボリューミーに見えたけど、女子でも全然食べられました!」と笑みをこぼした。

24PILLARS × KIKI NATURAL ICECREAM × お好み焼き みかみ popup

「お好み焼きとワインがとても合う!」という感想も多かったが、それもそのはず。[24PILLARS]スタッフの岡本 龍之介さんは「今日はお好み焼きの出汁の旨みにも通じるような、ジワっと口の中で広がるような味わいのナチュラルワインを多く選んでみたんです」。そんな読みが功を奏し、互いを引き立てる組み合わせが実現。

アイスクリームのブースには、お子様からお年寄りまで幅広い層が訪れる。乳化剤や安定剤を使わないため素材の風味がダイレクトに味わえることもクラフトアイスクリームの特徴。「でも、冷たいからこそ香りが立ちにくいから、口に入れた時に風味がふわっと立つように」とライムピールをひと削り。このあたりの細やかな工夫もさすがの一言。

20:00頃。仕事終わりの方々が来たこともあり、いよいよ大盛況。お好み焼きもバーカウンターもアイスクリームブースもフル稼働で来場者をもてなした。空になったワインのボトルが次々とバーに並べられていく…。

遅い時間は、ナチュラルワインがお目当ての方も続々。近年、徐々に拡大しつつあるナチュラルワイン市場だが、これだけの種類を試せる場はまだまだ希少ということもあり、通の方々は、時間が許す限り舌鼓を打った。


ようやく落ち着きを見せたのは22:30頃。確かな手応えと心地よい疲労感と共にポップアップは幕を閉じた。冒頭に書いた通り、お好み焼き・ナチュラルワイン・クラフトアイスクリームを、思い思いの組み合わせで楽しめるからこそ、老若男女が滞在しやすい素敵な空間だった。

24PILLARS × KIKI NATURAL ICECREAM × お好み焼き みかみ popup

2025年1月から本格的に[cosa]での営業が始まる[2PILLARS]。オープンに先駆けてプロダクトを披露する良い機会になったことは言わずもがな、名古屋の[24PILLARS]、横浜の[青果ミコト屋]、そして静岡の[みかみ]という3つの地域性や人柄が交差、交流したことこそに価値があり、編集部にとってもキュレーション冥利に尽きる。最後に各店舗の声をお届けしてレポートを閉じよう。

[24PILLARS]岡本 龍之介さん
「ナチュラルワインが好きな方が多くて嬉しかったです!馴染みがないという方も、まずは楽しい時間を過ごしてもらうことが一番大事なので、産地とか生産者の情報ではなく「こんな気分の時にどうぞ」と伝えたり、説明のニュアンスを工夫してみました。ナチュラルワインに興味を持つきっかけは色々あって、今日のようにご飯と合わせて楽しむこともあるし、音楽イベントで触れることもある。なんならラベルのデザインで選んでみるとかもアリだと思います。ぜひ気軽に楽しんでください!」

KIKI NATURAL ICECREAM(青果ミコト屋)鈴木 鉄平さん
「みんなお好み焼き食べてからアイス食べるのかなと思ったら、序盤から食べに来てくれる人も多くてびっくりしました!地元の方も『これはどういう味?』『どんな素材が使われているの?』って聞いてくれたり、感度が高い方が多かったですね。クラフトアイスを食べることで規格外の野菜が存在することを知ってもらえるので、[cosa]でも、そういうきっかけになれたらいいなと思います。」

[お好み焼き みかみ]田向 義和さん
「静岡の人は保守的というか、外からのものに対して少し身構えてしまう傾向があるから、こういうコラボレーションをやってくれることで、[24PILLARS]さんのワインとか[ミコト屋]さんのアイスが、とても身近なものになったと思います。常連さんも『ワインもアイスも美味しかった!』と言ってくれましたし、お好み焼きも120食以上でたので大成功です!ありがとうございました。」