汽[ki:] × bistro caravin
京都の気鋭のレバニーズと静岡市の老舗ビストロのコラボ
京都、清水五条に2021にオープンしたレバノン料理レストラン[汽[ki:]](以下[汽])と、静岡市は鷹匠の老舗ビストロ[bistro caravin](以下 : [caravin])のポップアップが[caravin]にて開催された。実は今年の春に、同じ場所、同じ顔ぶれでポップアップを開催したところ即満席の大盛況。第二回目の開催が決定するまでに時間は掛からなかった。[汽]オーナーシェフの長野 浩丈さんは、前回のポップアップを振り返り、「最高におもしろかったです。[caravin]のシェフの小野田さんは、すごく料理が好きなのが伝わってきましたし、僕が20代〜30代の頃の先輩たちが料理に向き合う姿勢に似たものを感じて懐かしい気持ちにもなりました。良い人のところで料理させてもらえたなって思います。」と、ポップアップやその前後の時間を通して意気投合したことを話されていた。一年と経たずして実現した第二回目。今回は一体どんなセッションが繰り広げられるのだろう。
昼の部、夜の部に分けた結果、いずれも数分で満席になった第一回目。より多くの人に、より自由に楽しんでもらうため、今回は時間制ではなく通し営業のなかで好きな時間に訪れてもらうスタイルにシフトチェンジ。また、提供するプレート数も前回のおよそ倍の100食に増やすなど、思い切った準備が行われた。フードやドリンクの味のクオリティの追求はもちろんだが、その根底にあるのは来てくれた人をとことんもてなさんとするホスピタリティ精神だ。
[汽]の長野さん(写真上)と、西川勇作さん(写真下)が[caravin]の厨房に立ち、汽[ki:]の代名詞とも言えるファラフェル(豆のコロッケ)やチキン、ラム肉などを使った、数種類のプレートを用意。色彩豊かな副菜がお皿を彩り、食べる前からすでにワクワクが止まらない!
本来フードロスになるはずの野菜の皮や切れ端を炭にして練り込んだピタパンは、生地の真ん中に切れ込みが入っている。そのポケットに好きな具を詰め込むことでお客さん自身が好みのピタパンサンドを完成させるスタイルだ。副菜の組み合わせ次第で口の中に広がる味もさまざま。一つひとつの素材が味わい深いなかで、完成するまでの余白があることも、また食べたくなる魅力の1つ。なにより思い思いの具を詰めていく作業が純粋に楽しい!
来場した人は、編集部繋がりで情報をキャッチした方も多数。「レバノン料理って聞き馴染みがなくて、どんな味かなと思ってたんですが、本当においしいです!また食べたいです」と新鮮な味に満足した様子。もうすぐ静岡[cosa]でこのファラフェルやアラカルトの味が身近に楽しめるようになることは、この日参加した人全員にとって朗報だ。
両店舗のスタッフともにテキパキと作業に当たりつつも、二回目ということもあり互いにリラックスしたムードで、サポートし合う様子も印象的だった。
[caravin]スタッフのアユさんは「私はこのお店でしか飲食店の経験がないので、別のお店の方と働くという経験自体が貴重でしたし、勉強になりました。」と楽しげな表情。
[汽]のシェフ、西川勇作さんは、静岡の方とも積極的にコミュニケーションをとっていたし、ポップアップが終わったあとも「めっちゃ楽しかったです。次はモーニングでもやりたいすね!」と早くも次回への意気込みを見せていた!
同じく[汽]スタッフで、前回も参加されたコウタさんは、「かなりの量を仕込んで京都から持ってきたんですが、たくさんの方に来ていただいたおかげで、ほぼなくなりました!本当にありがたいです。」と、フードロスが一切出なかったことについても、安心した様子だった。
というわけで、ここからは当日の様子を写真とともに。
この日をともに乗り切った両店舗のスタッフ。通し営業にて100食の提供というタフな1日。達成感と心地良い疲労感に包まれながらの撮影のあとは、もちろんワインで乾杯!
最後に、両店舗の代表によるどこまでも人に寄り添う姿勢が伝わる言葉をもってレポを終えよう。
[汽]長野さん「この二回目のポップアップで、やっと静岡の町や人の雰囲気がわかった感じがしますね。ポップアップの前は、時間もあったから静岡の町もゆっくり歩けたし。それもあってどういう風に進めたら行けるんやろっていうのが、自分のなかで整理できたのがだいぶでかいっす。前日に勇作(西川さん)とも『こうやったら面白いんちゃうか』とかも、話したりしてたんですよ。」
[caravin]小野田さん「前回のポップアップに来られた方が、また来られるのかなと思ったら、主催の22MAGAZINEチームが広範囲にリーチしてくれたこともあって、新しい方に来ていただけたので嬉しかったです。特に若い方にこの場所を知っていただけるのもありがたいですね。プレートについても、お客さんからの反応がとても良かったので、今後日常的にやれたらなとも思いました。」